雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
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Twitterに載せたSSの再掲です。ちょっと加筆修正してます。
かなり前に書いてお蔵入りしてたやつをひっぱりだしてきました。
これいつ書いたんだっけなぁ…今年入ったあたりかなぁ…たぶん去年の冬に書いたもの…。
思い付きで書いた話なので今サイトにあるものと若干被ってるのは見逃してください。つまりこういう雰囲気の話が好きなんです。
種~運命間の護衛×代表なアスカガです。でもアスカガ要素薄い気がする。
タイトルでお察しのとおりちょっと暗いです。カガリが落ち込んでます。
かなり前に書いてお蔵入りしてたやつをひっぱりだしてきました。
これいつ書いたんだっけなぁ…今年入ったあたりかなぁ…たぶん去年の冬に書いたもの…。
思い付きで書いた話なので今サイトにあるものと若干被ってるのは見逃してください。つまりこういう雰囲気の話が好きなんです。
種~運命間の護衛×代表なアスカガです。でもアスカガ要素薄い気がする。
タイトルでお察しのとおりちょっと暗いです。カガリが落ち込んでます。
「今なら死んでもいいな」
突然カガリが口にした言葉に、彼女に覆いかぶさっていたアスランは怪訝そうな顔をした。
「……カガリ?」
カガリはなにも言わずに今にも泣きそうな顔をして、頭上のアスランに手を伸ばす。彼の頬を優しく撫でる細い指に、アスランは彼女の服を脱がすのをやめ、自分の手を重ねた。
「──おまえに抱かれながら死ねるなら、私は幸せだよ」
「……」
あまりにも彼女らしくない発言に、アスランは数秒言葉を失った。
どちらかと言えば死にたがりなのは自分のほうだと自負している。カガリはいつもそれを咎めて、『生きる方が戦いだ』と叱咤してくれたのに。
「……どうして突然、そんなことを?」
「アスランの腕の中なら、私はただの『カガリ』として死ねるだろうから」
──オーブの代表首長としてでなく、ただのカガリとして。
カガリはそう言って、自嘲するように笑おうとした。しかしそれは失敗した。
細められた琥珀の瞳の眦から涙の雫がこぼれる。アスランは痛ましげに顔を歪めたあと、彼女の目元に唇を落とした。
「……残念だけど、それはできない。君を死なせるなんて、俺にはできないから」
「おまえが私の護衛だから?」
「護衛かどうかは関係ない。カガリがいないと俺が生きていけないんだ」
「……それは、困るな。私が死んだらアスランも死ぬのか」
カガリの額、鼻先、頬へと唇を滑らしながら、アスランは頷く。
カガリはされるがままになりながら、両手を自分の上のアスランに伸ばした。彼の裸の背にしがみつき、ぎゅっと力を込める。彼の大きな背に縋るように。
今日、SPが二人死んだ。
ナチュラルとコーディネイターの和平の証であるカガリの命を狙った連中の凶弾によって。
アスランはすぐにカガリを安全なところへ避難させたが、彼女が後ろ髪を引かれるような思いで地面に横たわるSPたちの遺体を見ていたことを知っている。アスランも同じ護衛として彼らとは話したことがあったし、彼らがいなければ代わりに犠牲になっていたのは、カガリの最も近くで覆いかぶさっていたアスランのはずだった。職業柄人の死に慣れたアスランですら心を痛めているのだから、カガリのそれはきっと比にならないだろう。
「……私にかかってるのなんて、おまえ一人の命くらいでいいのに」
カガリがアスランの肌に顔を埋めたまま声を絞り出す。
カガリ・ユラ・アスハは守られなければならない人間だ。
数名──数十名──の護衛の命と天秤にかけても、カガリの命のほうが重い。少なくとも今のこの世界において、彼女がいることによって戦火をまぬがれ生き永らえる人々の数は、それこそ数万を超える。
だからカガリはいつも守られる。
守られなければならないのだ――たとえ、彼女の意思に反したとしても。
これからもカガリ・ユラ・アスハは、何度も、いくつもの死を見送っていくのだろう。その下に、数多の死体によって築かれた礎をもって。
彼女の生きる道の下にはいつも死者の山がある。
「生きるのは……悲しいな」
「……そうだな」
静かに涙するカガリを、アスランはただ黙って抱き締めた。
抱き合った裸の胸から伝わるぬくもりが、少しでも彼女の悲哀を和らげてくれることを願って。
***
ネガティブになっちゃったカガリを励ますような技量はアスランにはないだろうけど、それ以前に互いの存在だけが世界で唯一の救いでありそばにいることでしか救いを得られないっていう感じの空白の二年の二人の関係性が好きです(誇張表現)
運命小説1巻で「互いの存在だけが唯一の救いのように思えた」的な表現があるんですよ~~護衛×代表の関係性を全て物語っているような……。
互いの傷を舐め合って生きていくことしかできない若かりし頃のふたりがかわいそかわいいです。
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