雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
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Twitterに上げたSSを掲載しておきます。
転生設定っぽい学パロです。相変わらず中途半端に始まり中途半端に終わります。
最近意外と書いてるような気がする。
上げたいログもたまってるんですがなかなか時間がとれません。
この三連休は友達と旅行してました。まあ帰り道に渋滞につかまって4時間くらい余分に時間がかかったんですけどね…連休おそろしや…。
転生設定っぽい学パロです。相変わらず中途半端に始まり中途半端に終わります。
最近意外と書いてるような気がする。
上げたいログもたまってるんですがなかなか時間がとれません。
この三連休は友達と旅行してました。まあ帰り道に渋滞につかまって4時間くらい余分に時間がかかったんですけどね…連休おそろしや…。
「アスハさん」
背後から聞こえた声に、カガリは振り返らなかった。
「アスハさん、あの」
しかし声の主は再度声をかけてきた。聞こえないふりをして早足で歩いていたが、校門をくぐったあたりで追い越されて目の前に立たれては無視するわけにもいかず、カガリは仕方なしに立ち止まる。
「何か用か?」
「いや、その……今日は昼からずっと授業に出てないだろう? 良かったらノートを貸そうか」
カガリのクラスメイトでもある少年──アスラン・ザラはそう言って鞄の中からルーズリーフを取り出した。
それは多くの女子生徒たちが憧れるアスラン・ザラのノートだ。主席の彼らしく分かりやすくまとめられたそのノートは女子だけでなくクラスメイト皆から人気なのだという。そんなアスランが自らカガリの元にやってきてノートを渡そうとするなんて、他の女子生徒が見たから羨むどころか妬むに違いない。
カガリは特に必要としているわけではなかったが、校門で立ち止まる二人に帰り道の生徒たちが好奇の視線を向けているのを感じて、やり取りを早く終わらせるべく受け取った。
「……ありがとう、助かるよ。すぐに返す」
「いいよ。これは渡すように別に書いた奴だから」
さらりと彼が言ってのけたことに、カガリは思わず手にしたルーズリーフを落としそうになった。
それはつまり、保健室に行って授業を欠席したカガリのために、アスランが限られた授業時間中に二人分のノートをとっていたということだ。担任の教師以外の誰にも言わずに休憩時間に保健室に行カガリに、彼は真っ先に気付いたことになる。
「それより体調は大丈夫か? もしまだ調子が悪いなら家まで送るけど」
「……別にいい、もう平気だ」
「でも、あんなに顔色が悪かったのに」
当たり前だろう、とカガリは心の中で吐き捨てたくなった。
彼女は昼休みの前あたりから、ずっと戦場にいた。
銃で撃たれる人を、乗ったロボット──人型の兵器であるそれは〝モビルスーツ〟と呼ばれていた──もろとも鉄の塊に潰されて死にゆく人を見ていた。
カガリの体はここにある。教室に座って同い年の少年少女と一緒に授業を受けている。しかし彼女の心と思考は、どこかの遠い戦場にいた。
ずっとそうだ。まるでその場にいるかのように血と硝煙の匂いが鼻に届き、軍人たちが死んでいく様が克明に網膜に焼き付く。彼女の頭の中には物心がついたときからそんな身に覚えのない『記憶』があり、それらはふとしたときに何の兆候もなくカガリの眼前にフラッシュバックする。当然兵士でも何でもないただの高校生である彼女には刺激が強すぎて、その記憶を見るたびに彼女は嘔吐し心身共に苦しむはめになる。
今日もカガリは見た。〝モビルスーツ〟に乗って家族のいる祖国を守ろうとした軍人たちが、敵の核兵器を前になす術もなく燃え尽きていく様を──。
あんなものを見て平気でいられるほうがおかしい、とカガリは思う。これでも耐性はついたほうだが、彼女がそれらの『記憶』の話を他人にすることはなかった。自分には戦争中の国で指揮官をしていた記憶があって、頻繁に夢に見るんだ──そんな話を大真面目にしたら病院に連れて行かれることくらい、カガリもわかっている。
そんな彼女にとって、アスラン・ザラは最も厄介な相手だった。
黙って歩き出した彼女に何も言わずに並んだ美少年をカガリはねめつける。
「おい、おまえの家は反対だろ」
「言っただろ、送るって」
「別にいいと私は言った」
「今にも倒れそうな顔しといてよく言うよ」
アスランの声は有無を言わせない響きを持っていた。いまだにひどい頭痛にさいなまれているカガリは反論できず、苦い思いで彼から目を逸らす。
カガリの見る『記憶』のなかにクラスメイトや知り合いが出て来ることは珍しくない。現実ではただの学生や会社員をしている彼らは、夢のなかでは立派な軍人であったり戦闘機のパイロットであったりする。
アスラン・ザラもそのうちのひとりだ。そして彼はカガリにとても近しい存在であり──彼女が誰よりもそばにいて欲しいと願った人間だった。
けれどそれは全て夢の話であり、現実のアスラン・ザラはただのクラスメイトだ。夢と現実の違いに、カガリはいつも胸が締め付けられるような痛みを覚える。夢のなかのような争いの絶えない悲しい世界など御免だと心の底から思うのに、この少年といるときだけその気持ちが揺らいでしまう。
自分でも矛盾していると思うその感情は彼女をひどく疲弊させた。だからカガリは彼と関わりたくなかった。
「もういい」
数分歩いたところでカガリが立ち止まると、隣のアスランもまたいぶかしげな様子で足を止める。
「アスハさん?」
「家の者に迎えに来てもらうから、ここまでいい。おまえはもう帰れ」
「でも」
「大丈夫だって言ってるだろ。それ以上はただのおせっかいだぞ」
「……そうか」
そこまで言われてようやく諦めた様子を見せたアスランに、カガリは胸の中で安堵を覚えた。
しかし、彼女を見つめる翡翠色の瞳はどこまでもまっすぐで──それが夢のなかの〝彼〟と重なり、カガリは目を合わせられなかった。心の奥深くにある何かを揺さぶるようなその視線から逃れるように背を向ける。
「……それじゃあな」
「ああ、気を付けて」
カガリは振り返らずに急ぎ足でその場を離れた。彼から一歩でも遠ざかるために。
「──また明日、アスハさん」
背後からかけられた声に、彼女は反応しなかった。視線を感じながらも無視して走り出した。アスランは追ってこなかった。
カガリは下を向きながら奥歯を噛みしめる。
なんでだよ。
なんでおまえは──そんなに私にかまうんだ。
アスラン・ザラが実は人付き合いが苦手だということをカガリは知っている。だから彼は自分から他人に話しかけたりはしない。それでも決して孤立しないのは彼の人望あってのものだ。
ただ、彼は何故かカガリにだけ態度が違った。その理由は不明で、そのことがよりカガリを苛立たせる。
「──なんにも覚えてないくせに……!」
カガリは思わず吐き捨てていた。
──夜色の髪、深紅の軍服と真紅のモビルスーツ。
『カガリに会えて良かった』
──そう言って優しく、少し強引に抱き寄せてきた腕。
それらの記憶が彼女をさいなむ。決して忘れられないのに現実とは異なるそれに、彼女の心は磨り減っていく。
『また明日──アスハさん』
──現実の彼は決してカガリを名前で呼ばないというのに。
赤らんだ頬と涙のにじむ顔を隠しながら、カガリは走り続けた。
「なんで覚えてないんだよぉ……アスラン……っ!」
──彼女はただひとり、夢の世界を生きていく。
***
こんな感じの転生パロ?の夢を見たので書いてみたんですが、無駄に長くなってしまった気がします…。
実は転生パロとか大好きです。片方しか記憶がなくて悲しい片思いをするとか最高ですよね!
タイトルは直感で付けました。某自爆系主人公の映画とは何の関係もないです笑
続く予定はないので、ざっくりと人物設定だけ書いておきます。
・カガリ
コズミック・イラ(前世?)での記憶がある。アスランのことが好きだったことも、彼と別れてオーブの国家元首であり続けたことも覚えている。転生してただの少女としての生を得たはずが、CEの記憶を持ってしまったために過去に囚われ続ける。中学生のときに仲良くしていた友人(アサギたち)がフラッシュバックの中で死ぬ姿を見てしまったこと&夢のなかで死んだ父ウズミが現実でも事故で亡くなってしまったことから、自分が関わった相手が死んでしまうと思い込むようになり、他人と深い関わりを持つことを避けるようになった。中でもアスランを最も拒絶している。
・アスラン・ザラ
コズミック・イラの記憶を持っていないが、カガリに片思いしている。本人に自覚はない。
カガリが本人の望みとは裏腹に他人を避けていることに何となく気づいており、気になって仕方がない。
こんな感じのアス→カガに見えて実はアス→←←カガな話が読みたい。
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