「英雄」としてのアスラン・ザラに関して

こんばんは。
まだ自宅療養期間なのですが、どうにも体調が悪くてなかなか作業がすすみません。
アスカガ書きたいなぁって日夜思ってるんですけど、今日ふと思いついたのがアスランがミーアの墓参りに行く話でした。昨日UPしたのもシンの話だし、アスカガどこいった！？

オフ友にサイト開設した云々のことを伝えたら、「おまえガンダムにハマって時間逆行してるなあって思ってたけどどこまで時代遡る気なの…Web拍手とかブログとか懐かしすぎるわ…」ってドン引きされました。うるせー私だって自覚してるわ！！って叫びましたね笑　楽しいんだから仕方ない⊂⌒~⊃｡Д｡)⊃
そんな彼女は見事にオルフェンズにハマってくれました。やったー！


続きはふと思いついた種/運命本編考察もどき。
種は非常に考察しがいのある物語だと思っています。
大事な情報がいろいろ公開されてないからというのもありますが←
今まではTwitterに投げてたんですけど、せっかくブログつくったのでこっちに。人の考察聞くの大好きなので、いつか誰かと語りたいです。
自分用メモも兼ねてるので、無駄に長いので興味のある方だけどうぞ。

「英雄」としてのアスラン・ザラに関して。

・「英雄」としてのアスランについて

　「アスラン・ザラ」という英雄は運命後どのように世界に受け入れられるのか。

　きっと、本人が思う以上に彼は「正義の体現者」として扱われているのではないでしょうか。

どんなに世界が混迷しようと、「正義」を見つけて貫き通す英雄。二度の大戦を終結に導いた戦士。良くも悪くも、彼が戦うとそこには「正義（勝利）」の文字がついてまわる。

(特筆すべきは、この場合の「正義」とは文字通りの「絶対的な正義」という意味ではなく「相対的な正義=戦争・歴史の勝者」を意味する恣意的な概念であること)　

　

　運命でのルナマリアの台詞から察するに、1度目の大戦の後クライン派がプラントを掌握した結果、パトリック・ザラは悪(戦犯)であり、それに反発したラクス・クラインとアスラン・ザラは「英雄」となった。そして戦後すぐに二人はどこかへ消えてしまった、と。

　平和の歌姫とその婚約者が英雄というのは、戦後の混迷の中さぞ市民の支持を得て幻想化されたことだろう。二人とも姿を消してしまったと言うのならばなおのこと、彼らは空想の中の英雄として扱われたわけです。（その影響力は運命のプラントでラクスとアスランを見た人々の反応からもわかる）
　アスランが英雄となった要因として考えられるのは主に以下の四つ。「ザラであること」「エースパイロットであること」「父親を撃つという悲劇的な物語があること」「平和の歌姫の恋人であること」　

　

・運命での「アスラン・ザラ」
　運命が始まって、そんな「アスラン・ザラ」がザフトに復帰したと言う知らせは、ザフト軍人にどれほど影響をあたえたのでしょうか。

　プラントに核が撃たれて人々が混乱する中で、ラクス・クライン(ミーア)が再び姿を現わすと同時に、プラントの危機を救うため全大戦の英雄(しかもラクス＝ミーアの婚約者)が帰ってきてくれたというのは、プラント市民はもちろん、ザフトにも大きな衝撃と期待をもたらしたことでしょう。(プラント市民にアスラン復帰の話が伝わっていたかどうかは別として。ハイネが知っていたと言うことは、ザフトでは噂になっていた様子)

　きっと周囲は「プラントのためorラクス様のために英雄が帰ってきた」と思い込んだ。まるで救世主のよう。『ローエングリンを撃て』での彼の活躍を見たまわりの反応からも察せられます。

(議長はアスランの名前というよりは単純に戦闘力を求めてザフトに呼び込んだんだと思いますが。最終的にアスランを切り捨てたのも、「アスラン・ザラ」と言う名前の影響力を自分のもとで飼い慣らすことより、彼の力が敵にまわる危険性のほうを重要視してアスランを排除することにした)　

　

　しかしながら、アスラン・ザラはザフトを裏切ってしまう。これもまたザフト全軍に衝撃を与えたことでしょう。「前大戦の中でザフト(パトリック・ザラ)が間違っているといち早く気づいた」英雄がまたザフトを裏切ったんですから。

　しかも、オーブにもう一人の「ラクス・クライン」が出現する。

　その「ラクス・クライン」がプラントの議長を否定した上でプラントに敵対し、彼女の軍勢の中に英雄「アスラン・ザラ」とその愛機"ジャスティス"がいたーー。

　小説版ではメサイア戦においてラクス率いる"エターナル"とそれに続く"フリーダム""ジャスティス"、いわば前大戦の英雄の再来に、ザフトの軍人たちが戦意喪失するところが描かれています。

　彼ら英雄の存在というのはユニウス戦歴において非常に大きくて、ザフトの軍人たちは「(前大戦のパトリックに従った者たちがそうだったように)今度は自分たちが間違おうとしているのか」と迷いまでしてしまう。　

　

　結果として、プラントはオーブ軍に負けたわけですが、そのときの彼らはどう思ったんでしょう。

　「やはりラクス・クラインが正義だった」と思うのか「裏切り者のラクス・クラインとアスラン・ザラに負けた、憎い」と思うのか…。

　ラクスがプラントにいる描写がFPにありますが、プラントに「招聘」されたのであれば、プラントの民意は前者に近いということになるのでしょうか。

　普通に考えて、敗戦国のリーダーに勝戦国(オーブ)の人間がなるということは、いわゆる戦後支配に当たると思うのですが。

　でも、ラクスが戦争に勝利した時点でデュランダル議長は偽物のラクス(ミーア)を使って世論を動かしていたということが世界に明るみになるので、やはり民意は本物のラクスのほうに動くような気もします。

　ラクスがもし支持を得てプラント議会に関わっているのであれば、「ラクス・クライン」と「アスラン・ザラ」はやはり「正しい人間」として英雄扱いされることになるのでしょう。　

　
・「正義の体現者」

　アスランの愛機の名前が"ジャスティス"というのは秀逸な皮肉だと思っています。彼ほど「正義」とは何か「何と戦えばいいのか」を苦悩したキャラクターは他にはいません。だからこそのネーミングかもしれませんが…。

　英雄としての彼は、愛機の名前とともに知られて、文字通り「正義」の戦士、彼の戦いこそ正しいものであるという「正義の体現者」として知られていくはず。蓋を開けてみればそれは戦時下の虐殺者であり各陣営を裏切りまくってる不届き者なのですが、「英雄」という称号の前には不名誉な噂はかき消されます。そして、本人の葛藤や人格はそこには反映されません。
　「地球軍最強のストライクを撃った」というところから伝説がはじまり、「正義のために暴威に走る父親を倒した」悲劇の戦士として知られ、そこに「ラクス・クラインを守る騎士」であり「戦後姿を消した」といういかにもなエピソードがついてきます。種終戦の時点で、彼は父親と戦い、愛する人のために戦った悲劇の英雄でした。

　運命後はそこにやはり、デュランダル議長という人々が「悪」と思っていなかった黒幕に反発し、倒すことによって世界を救ったという英雄譚が加わることでしょう。彼は勝者側の人間なので、美しい話ばかりが強調されていくはずです。
　それでもプラントにとっては裏切り者であることは変わりませんが、オーブにとっては”フリーダム”と並ぶ最高の救世主です。　
　

・アスカガ的解釈

　何が言いたいかというとアスランは本人が思ってる以上に「世界の英雄」なのではないかということです。それこそラクス・クライン、カガリ・ユラ・アスハに引けを取らない。

　アスカガ的に考えると、前大戦の英雄同士アスランとカガリが結婚するのはプロパガンダ的な意味では非常に有意義なのでは…？と思わなくもないですが、そうなるとオーブの軍事国家的側面を強調することになる(国のリーダーが軍人と結婚するわけだから)のと、プラント側の支持が得られないかもしれませんね……。オーブの強さを強調するのであれば良いと思いますが。　

　

　「英雄」としてのアスランが運命後どう世界に受け入れられていくかはわかりませんが、彼を軍部に所有するオーブとしてはアスランを英雄として祭り上げるほうが政治的な意味では有意義なので、情報操作の上で彼を「正義の英雄」扱いするのではないかな？と考えています。(ひょっとしたらアスランを利用することを厭うカガリがもみ消すかもしれませんが、アスランはそれを望まないような気もします)　

　

　でもその裏では、二度の大戦の中でアスラン・ザラという英雄に虐げられた人たちが、彼への恨みを発散することもできずに燻らせているのも事実。だってプラントの人からしたら悪魔みたいなやつですよこの英雄。平気で祖国を裏切ったと思ったら最強の敵になって襲いかかってくるわけですし。　
　私はいつかアスランがコーディネイターに暗殺されないか心配です……。　

　
と、まあいつかそんな話を書きたいな、と思って書きました！！(まとめ)

長々と読んでくださってありがとうございました。