雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
やっぱり何もしないことに耐えられなかったので、急いで書いたものですが運命の出会い記念を投下。
ネットができなくなる前に書いておこうと思いまして。
昨日の記事にも書いたんですが、今日からしばらく更新できなくなります。うまくいけば、つなびやTwitteにはいるかも。帰ってきたらまた構ってやってください!
アスカガ運命の出会い記念で、空白の二年の話です。
続きからどうぞ。
ネットができなくなる前に書いておこうと思いまして。
昨日の記事にも書いたんですが、今日からしばらく更新できなくなります。うまくいけば、つなびやTwitteにはいるかも。帰ってきたらまた構ってやってください!
アスカガ運命の出会い記念で、空白の二年の話です。
続きからどうぞ。
それは、アスランが自室の扉をくぐった瞬間だった。
「――っ!」
ふと背後に不穏な気配を感じ、アスランはすぐに身を翻して後ろの人物に飛び掛かった。凶器を持っている手を掴み、床に押し倒して動きを封じる。腕をひねり上げようとしたところで、「きゃっ」と聞こえた高い悲鳴に相手の正体に気付き、彼は目を見張った。
「――カガリ?」
「いったぁ……」
したたかに背を打ち付けられたカガリは涙目になりながら悶えている。アスランが凶器だと思った彼女の手に握られていたものは、ナイフでも銃でもなくただのペンだった。彼は困惑したまま、彼女の上からどくのも忘れてカガリの頬に手を添える。
「す、すまない、大丈夫か? 不審な人物かと思ってつい……」
「いや、私も悪かった……急に襲い掛かったら、そりゃあこうなるよな」
あいたたた、とこぼしながら、カガリがバツの悪そうに苦笑する。
襲い掛かる――と彼女が自ら言ったので、やはりアスランが感じた気配は間違ってなかったようだ。しかしどうしてカガリがそんな行動をとったのかわからず、アスランは眉を寄せる。
「やっぱおまえにはかなわないか、トップエリートだったんだもんなぁ。前のリベンジをしたかったんだけど」
「前?」
「そう。初めて会ったときの、な」
カガリに言われて思考をめぐらせ、そういえばそんなこともあったとアスランは思い出す。忘れていたわけではない――むしろあんな出会い方をした少女とこうして今共に暮らしているくらいなのだから、忘れられるはずのない記憶なのだが、それが今の状況とどう結びつくのか、彼にはいまだに理解できなかった。
「……とにかく、あんな不意打ちは今度からよしてくれ。危うくおまえの腕を折るところだった。俺も悪かったけど、突然だと手加減できないんだ」
「うん、ごめん。もうやらないよ。痛い思いもしたくないしな」
アスランはようやくカガリの上から身を退けて、彼女が立ち上がるのに手を貸した。アスハ邸のラグがやわらかかったために、カガリが怪我した様子はなく、彼は心の中だけで安堵する――護衛の自分が守るべき主の彼女を怪我させたなどという事態は、何としてでも避けたい。
「――で、なんであんなことをしたんだ?」
カガリを起き上がらせて、部屋のベッドに座らせる。彼女はどうやら、アスランの部屋の扉の後ろに隠れて彼を待っていたらしい。ペンを握って、背後から襲うために。
カガリはためらうように口を噤んだが、正面に立ったアスランの視線に負けて、おずおずと口を開いた。
「……今日が何日かわかるか?」
「今日? ……三月八日だが、それがなにか?」
「そう、三月八日。――ちょうど一年前の今日、私が無人島に不時着したんだ」
言われて、アスランははっとする。瞬時に確認するように記憶をたどった。
地球に降下してすぐ、アスランは移動中に輸送機が撃墜されて愛機と共に無人島に落ちた。そして不思議な少女に出会ったあの日は、確かに一年前の今日だ。
ようやく結びついて顔色を変えたアスランを見て、カガリがはにかむように笑う。
「私とおまえが出会った日、だな」
「……そんなのを、覚えてたのか」
「うん。あのときは色んなことがあったから、結構詳しい日付まで覚えてるんだ」
だから、アスランを襲うような真似ごとをした。一年前の今日を思い出して。
――一年前、彼は彼女を地球軍の兵士だと思い、殺そうとした。それをやめたきっかけは本当に些細なものからだ。もしもあのような出来事がまた起きたとしたら、今度こそアスランが正体不明の敵兵を殺す確率の方が高いだろう。あの日、何パーセントかも分からない奇跡が起き、そしてその奇跡の末に彼は今、一年前に殺そうとした少女と共に生きる未来を得た。
カガリも当時のことを思いだしているのか、視線を宙に向けて複雑な微笑を浮かべている。あの出会いは殺伐としていて、でもどこか居心地が良くて、――そしてやるせないものだった。自分と同じ人間を、同い年の少女を、等身大の人間を相手に、軍服や所属が違うという理由だけで殺さなければならないという、どうしようもない現実を突きつけられたのだから。
「――でも、会えて良かったよ。アスランに」
カガリがぽつりとそう言って、アスランは思考の渦から我に返る。彼女はアスランを見上げて、目元を和らげて笑った。それはあの日には見ることのできなかった、優しい笑みだ。
「おまえに出会えて私は初めて敵のことを知られたし、あのときアスランが私を殺さなかったから、私はここにいるんだ」
「それを言うなら、君だって俺を撃たなかったから」
「撃ったぞ? でも、おまえがかわしたんじゃないか」
「いや、そうじゃない」
きょとんと首を傾げるカガリをよそに、アスランは声に出さずに思う。
カガリは撃たなかった――撃てなかった。移動の疲れに、捕虜の前で眠るという失態を犯したアスランを前に。そのことを彼がどれだけ有難く思っているか、彼女は知らない。そうしなければ、アスランはカガリを殺さなければならなかったのだ。
きっと彼女でなければアスランは死んでいたし、同様に彼女でなければアスランは縄を解かなかっただろう。
それは――それは本当に、奇跡の重なりだった。偶然とも言い難いそれはもはや、運命などという非現実的なものを信じたくなってしまうほどに。
「――俺も、カガリに会えて良かった」
それは、いつかの宇宙でも口にした言葉。あのときは今のように彼女との出会いについて深く考えていたわけではなく、ただ衝動的に――思ったままに口にしたのだけれど、それだけに、アスランの本心そのものだった。
そして、今も。
アスランが目を細めて笑うのに、カガリがわずかに呆けて、ややあって顔を赤くする。
「……なんか、おまえに改めて言われると恥ずかしいぞ」
「カガリだって言ったじゃないか」
「ならおまえも照れろよっ! なんで私だけっ」
両手で頬を押さえながらきっと睨んでくる少女の姿を見て、アスランの胸にふとある感情が沸き上がる。遠い日に敵だった彼女にそんなものを抱く自分を内心で自嘲しつつ、彼は優しい声を装って話した。
「――せっかくだから、あの日の再現をするか」
「え?」
目を瞬いたカガリの手を掴んで顔を寄せると、彼は口の端を持ち上げた。
「襲われたんだから、俺は相手を拘束するしかないよな。濡らすのは風邪をひくからやめておくとして……次は、服を脱ぐ?」
「え――は、はあ!? 待てよ、なんで……っ!」
「先に言いだしたのはカガリだろ? で、確かこんなこともしたよな」
「おま――わあっ」
徐々に体重をかけてくるアスランに、耐えかねたカガリの体がベッドに沈む。彼はその上に跨り、彼女の頬に唇を寄せた。
「ばか、こんなことしてないだろ……っ!」
「それはまあ、アレンジということで」
「アスランッ! やめ、――あっ」
彼女の非難の声は、次第に甘いものに変わっていく。
あの日焚き火を挟んで対峙した少女、分かり合えないことを苦く思った相手は今、彼の腕の中にいた。何にも代えがたい大切なものとして。
――それはやはり、運命の出会いだったのだろう。
***
カガリにアスランを襲わせたかった(失敗編)。
24話の出来事をもう一度やらせたら確実にアスランはカガリを襲いますよね!別の意味で!
そう考えると24話って本当にすごい。
じっくりかけなくてすみませんでした……!
***
カガリにアスランを襲わせたかった(失敗編)。
24話の出来事をもう一度やらせたら確実にアスランはカガリを襲いますよね!別の意味で!
そう考えると24話って本当にすごい。
じっくりかけなくてすみませんでした……!
PR
コメントする
