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雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
2025/05
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大学生パロのアスカガです。
性描写はありませんが、ちょっと不健全な話なので苦手な方は注意。
昨日、手を出してこないアスランに焦れてカガリが押し倒すという夢を見まして笑
 
なんでもOK!という方は続きからどうぞ。

拍手[11回]



 
「アスラン、セックスをしよう」
 自分の上に馬乗りになったカガリが真面目な表情でそう言うのに、アスランは数秒思考を停止した。
「聞いてるか、おまえ?」
「いや、その……急にどうしたんだ?」
 彼がバイトを終えて帰ってきたときから、彼女の様子は変だった。どこか落ち着きのない様子でそわそわしており、何かあったのかと問おうとした途端、勢いよくベッドに押し倒されたのだ。彼女に。
 そして、先の問題発言である。
「もう何年も付き合ってるのに、したことがないのは変らしい。だからするぞ、アスラン」
「ちょっと待て、カガ――」
 アスランの制止も聞かず、カガリは自分の服に手をかけると、一気にカットソーを脱ぎ去った。それを乱暴に床に投げ捨ててキャミソール姿になると、あろうことかアスランの服にまで手をのばす。
「っ、カガリ!」
 シャツをたくし上げられ、アスランの胸筋が露わになったあたりで、彼は慌てて声を荒げた。構わずに脱がそうとするカガリの両手を掴み、阻止する。
 カガリはアスランの上に乗ったまま、不服そうに眉をひそめた。
「なんで止めるんだよ」
「いいから落ち着け。一体何があった?」
 腰の上にカガリを乗せた状態で、アスランはなんとか上体を起こす。乱れた服を直しながら、ふと彼女から濃いアルコールのにおいがするのに気がついた。
「カガリ……酔ってるのか」
「別に」
 本人はすぐに否定したが、よく見れば白い肌がいつもより赤みをおびているし、目もわずかに潤んでいる。おかしな言動からも、酔っていることは間違いなかった。
 そういえば、今日は大学のコースの飲み会だったか――とアスランはようやく思い至る。そして彼女が酔っていることに気づかなかった自分の迂闊さを恨みたくなった。
「さっき、したことがないのは変『らしい』と言ったな。何を言われたんだ?」
「だから、ずっと付き合ってるのに経験がないのはおかしいって」
「ほかには?」
「……おまえが手を出してこないのは、私に魅力がなくて、私のことがそんなに好きじゃないからだって……」
 言ってるうちに不安になったのか、先ほどまでの勢いはどこかへ行き、カガリはしゅんとうなだれてしまう。
 一方アスランは、それが原因か、と安堵する反面、やるせないような複雑な気持ちでいっぱいだった。
「誰に言われたんだ?」
「なんだっけ、あいつ……紫の髪のぼっちゃんみたいな」
「……ユウナ・ロマか」
「うん、そいつ」
 予想の範疇の名前が出てきたことに、アスランはこっそりため息をつく。
 学部が違うにもかかわらず、彼がカガリの同級生を把握しているのには理由があった。今回のように、姑息な手段でアスランとカガリの関係にヒビを入れようと画策する者は、少なくないのだ。
 自惚れでも何でもなく、ただ事実として、二人は異性に人気があった。見目がよく、表向きの人当たりがよいところや、優秀なことで知られる国立大学に通っているせいもあるだろう。恋人がいると公言しているにもかかわらずアスランにアプローチしてくる女性は絶えないし、カガリもまたしかりである。
 しかしながら、一向に別れる気配のない二人を見かねて、最近はカガリに嫌がらせや悪口を吹き込む者が増えてきた。その手の輩は一切相手にしないアスランよりも、人を疑うことを知らないカガリのほうがやりやすいと踏んだのだろう。
 そういった事案から彼女を守ろうとするうちに、アスランはカガリの周囲の人間関係に精通するようになったのだった。ユウナ・ロマもカガリに執心している男の一人であり、その忌々しい名はたった今アスランのブラックリストに刻みこまれることになる。
「カガリ……あのな、俺が君にそういうことをしないのは、奴が言ったような理由からじゃないんだ」
 カガリの肩に手を置き、アスランは慎重に言葉を選びながら説明する。
「そうなのか? でも、私……ミーアみたいに胸もないし、フレイみたいに美人でもないぞ」
 カガリが肩を落として自分の体を見下ろす。
 確かに、彼女が名を出したような同級生たちは、美人だのスタイルがよいだのと噂されるような美貌の持ち主だ。
 しかしアスランは彼女らに欠片も興味がないし――カガリの視線を追って薄着姿を目に入れた瞬間、沸き上がる煩悩を押し殺さなければならないほどには、目の前の彼女に執心してやまない。
 キャミソールの胸元からわずかにのぞく谷間や、鍛えているのにほっそりとした腕、惜しげもなくさらされる鎖骨――それらはアスランにとって目の毒でしかなかった。
「そんなことない。カガリは、その……そのままでいいんだよ。俺からして見れば十分すぎるほどだ」
 アスランはベッドの傍らに落ちた自分の上着をとり、極力カガリの体を見ないようにしながら、彼女の肩にかけてやる。ぎゅっと前を合わせて肌が見えないようにしてから、カガリの顔をのぞき込むと、彼女は不安げな表情でアスランを見ていた。
「……本当か?」
「ああ。俺はカガリには嘘つかないよ」
「じゃあ、なんで手を出さないんだ? セックスしないのか?」
 アスランはカガリの発したストレートな言葉に一瞬たじろぐが、こほんと咳払いをしてから彼女を見据えた。
「それは……俺自身がきちんと責任とれるようになるまでは、そういう行為はしないと誓ってるからだ」
 情けない話だけどな、と自嘲すると、カガリはゆるゆると首を横に振った。その様子がいじらしくて、アスランは小さく笑いながらカガリの頭を撫でてやる。
「それにそうでもしないと、俺なんかにカガリを任せてくれたウズミさんたちに申し訳がたたないだろ?」
 カガリの父親は、彼女が実家から離れた大学に通う際、アスランを信用して娘を預けてくれたのだ。それを裏切ることなんてできないし、もしそんなことをしてしまえば、後が怖いではすまないだろう。
 カガリはすこし悩む様子を見せたあと、おそるおそるアスランの顔をのぞき込んだ。
「じゃあ、アスランが実は私のことを好きじゃないとか、そういうわけじゃないんだな……?」
「ないない。絶対ないよ」
 アスランが確信を持って頷くと、カガリはくしゃりと顔を歪め、彼の首に抱きついてきた。
「うぅ、ユウナのばかぁ……」
「あんな奴のことは忘れていい。コースの飲み会は、今度から外部の参加者もできるやつだけ行くようにしよう。そしたら俺も一緒に行けるから」
「うん……」
 ぐすぐすと鼻をすすり始めたカガリの背を、アスランは優しく撫でてやった。きっと、飲み会の途中からアスランが帰ってくるまで、ずっと不安な気持ちのままでいたのだろう。あんな大胆な行動をとったものの、当人は怖くて仕方がなかったはずだ。彼女は小さなころから周りの人間に守られ大切に育てられてきた純粋な心の持ち主なのだから。
 そんなカガリが愛しくて、アスランは腕の中の細い体をぎゅっと抱きしめた。
「俺がこんなことするのはカガリだけだよ」
「……私も。絶対アスランだけだ」
「でもカガリはキラにも抱きついてるじゃないか」
「あ、あれはまた別だろっ!」
 彼女が溺愛してやまない少年の話をすると、カガリは焦ったように弁解する。慌てて体を離して顔をのぞき込んでくるが、アスランのいたずらが成功した子供のような微笑みをみて、彼女もまたはにかむように笑った。
 そうしてやさしい眼差しで見つめあい、アスランがそっと顔を近づけようとしたそのとき。
「うりゃっ!」
「っカガリ!?」
 カガリが勢いよく飛びついてきて、彼はそれを受け止めきれず、背中からシーツに倒れ込む。
 呆気にとられる彼の上ではカガリが楽しそうに笑っており、彼女はアスランの上に寝そべると、ぎゅっと首に抱きついた。
「……カガリ、急に飛びつくと危ない」
「大丈夫だって、慣れてるだろおまえ!」
「そういうことじゃなくてだな……」
 ――きっと、カガリはアスランがキスしようとしたなんて、微塵も気付いていないのだろう。
 アスランは彼女のあまりの純真さに少しの残念さを覚えながら、それでも愛おしさにはかなわず、苦笑したままカガリを抱きしめた。
 ――性行為に及ぶ前に、まずまともにキスできるようになりたいんだがな。
 彼の些細ながらも切実な願いは、まだ彼女に届かない。
 
 
***
 
後日アスラン・ザラがユウナ・ロマに殴りかかる事件が起きたんだとかなんだとか。
夢で見たカガリの服の脱ぎっぷりがあまりに潔かったのと、カガリに脱がされかけるアスラン(ほぼ半裸)が逆に萌えたので書いてみたんですが、あまり伝わってない気がする……。
大学生のただれた貞操事情を書きたかった……。
 
Twitterでは初夜初夜連呼してる私ですが、プラトニックも好きだよ!という主張でした。手を出せなくて悶々としているアスラン最高ですね!
きっとこの二人、ディープキスもしてないです(^-^)
結月さんが「健全過ぎて不健全なアスカガ良いですね!」と言ってくださって、まさにそれだ!ってなりました笑
女の子攻めは苦手なんですが、でも時々カガリに押し倒されるアスランの図とか見たくなります。
 
閲覧ありがとうございました!
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プロフィール
管理人:柳瀬
居住地:関西
最近カラオケで種のPVを見たことをきっかけに10年ぶりにうっかりアスカガが再燃した出戻り野郎。

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