雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
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突発的に吸血鬼パロを書いてしまいました。
Twitterで敬愛するゆづきまいさんと盛り上がった結果、自分でも書いてみたのですが、コレジャナイ感がすさまじい……笑
吸血鬼パロ死ぬほど好きです……だいたいどのジャンルでも考えてしまう。
あとは海賊パロと機械人間パロですね。大好物です笑
いよいよ種でもパロが増えてまいりました。楽しいー!
続きより、吸血鬼パロSSを収納してます。
ヴァンパイアのアスランとハンターのカガリという設定で、殺伐敵対ものなので注意!
「カガリに追いかけまわされることに快感を感じてるアスラン」というのが当初のモチーフでした笑
Twitterで敬愛するゆづきまいさんと盛り上がった結果、自分でも書いてみたのですが、コレジャナイ感がすさまじい……笑
吸血鬼パロ死ぬほど好きです……だいたいどのジャンルでも考えてしまう。
あとは海賊パロと機械人間パロですね。大好物です笑
いよいよ種でもパロが増えてまいりました。楽しいー!
続きより、吸血鬼パロSSを収納してます。
ヴァンパイアのアスランとハンターのカガリという設定で、殺伐敵対ものなので注意!
「カガリに追いかけまわされることに快感を感じてるアスラン」というのが当初のモチーフでした笑
宵闇のなか、街外れに数発の銃声がひびく。
その余韻は涼やかな声にかき消された。
「夜にひとりで出歩くのは危ないといつも言ってるだろう?」
アスランがゆっくり手を開くと、握られていた銃弾が音を立てて地面に落ちる。
すこしはなれて銃を構えていたカガリは、歯噛みしながらそれを見ていた。
「〝銀の銃弾〟か……確かに当たれば俺たちには致命傷だ。でも、きみのような若い女性がそんなものを持つのは感心しないな、カガリ」
「うるさい、気安く名前を呼ぶなっ!」
カガリは威嚇するように叫ぶと、アスランを狙って再度引き鉄をひく。
しかし、銃弾が命中するより早く、男の姿はかき消えていた。
次に彼の声が聞こえたのはカガリの背後だ。
「前より銃の腕もずっと上達したじゃないか。そんなに俺が憎い?」
いつの間に移動したのか、アスランはカガリより少し離れたところに立ち、やさしい微笑を浮かべている。
その場違いな笑顔に、カガリの背に冷たいものが走った。
彼は人間ではない。人の姿をした化け物――〝吸血鬼〟という、夜の支配者だ。
「……ああ、憎いさ! お父様を殺したおまえたち吸血鬼がな!」
カガリは怯えそうになる体を叱咤し、吸血鬼に向き直る。懐から小さなナイフをとりだして、銀でできた刃を敵に向けた。
それでもアスランは眉一つ動かさず、むしろ楽しげに唇をゆがめるだけだ。
「お金に余裕なんてないだろうに、そんなものまで用意するなんて……よほど俺を殺したいんだな、カガリは」
「そんなの当たり前だろ!」
「嬉しいよ。でも、ひとつ忘れてることがあるんじゃないか?」
翡翠の瞳を細めてカガリを見つめる吸血鬼の姿は、次の瞬間消えていた。
カガリの手からナイフと銃が落ちる。
気が付いたとき、彼女の体はアスランの腕の中にあった。
「俺は人間のきみよりもずっと早く動けるんだぞ。そんな俺に、傷をつけることなんてできると思う?」
「――っ」
アスランはカガリの腰を抱いたまま、息がかかるほど顔を近づけ、片手でカガリの頬を愛おしげになでる。
そのまま首筋まで撫で下ろし、カガリの首元に顔をうずめた。
ひっ、と息を呑んだカガリが咄嗟に離れようとするが、吸血鬼の力は人間のそれの比ではない。否、力だけではなく、移動速度も身体能力も治癒能力も――すべてが桁違いだった。
少女の反応を心底楽しみながら、アスランは白い首に舌を這わせる。
「ああ――やっぱりカガリは美味しいな」
舌先に感じる甘い味と滑らかな感覚に酔いしれ、暴れる体を押さえ込んでねっとりと皮膚を舐める。
たわむれに鋭い牙を肌にあてがうと、カガリの体がびくりと震えた。
「やだ、離せっ!」
カガリの抵抗をものともせずにいたぶっていたアスランはしかし、突然はっと顔を険しくすると、彼女を手放し距離をとった。
それまでの楽しそうな様子は消え、渋い顔でカガリを睨む彼の手に握られていたのは、彼女から奪った小さな注射器だ。
「――中身は硝酸銀溶液か? こんなものを自分に注射しようとするなんて、どういうつもりだ」
アスランの声は怒りを孕んでいた。
硝酸銀溶液――俗に〝聖水〟と呼ばれるそれは、吸血鬼のもうひとつの弱点だ。彼らにとって猛毒であり、それを体に入れることは死を意味する。
「おまえに血を飲まれるくらいなら、道連れにするほうがマシだからな……!」
カガリは首筋を押さえながらアスランをきっと睨む。
アスランは険しい顔のまま注射器を地面に放り、足で踏みつけて破壊した。
「……今日はここまでにしておく。この様子だと、他にも何か持っていそうだからな」
「なっ――逃げるのか!?」
カガリが叫ぶ間にも彼の姿はふたたび消え、一瞬のうちにそばにあった木の上に移動していた。
「忘れないで、カガリ。俺はいつだってきみの血を吸えたんだ」
藍色の髪を持つ男は、鋭い目でカガリを見下ろしていた。
「時が来たら迎えに行くよ。それまで体を大事にしていて。――きみの血も、きみ自身も、すべては俺のものだから」
吸血鬼は最後にとても美しく微笑んで、姿を消した。
張り詰めた空気が霧散する中、カガリはその場に膝をつく。体が震え、アスランの唇が触れた首筋が冷たく感じられた。
「くそ、くそォっ!」
拳を握りしめて地面を殴る。
悔しくて仕方がなかった。激情のあまり涙がこぼれそうになるのを、必死でこらえる。
自分に異常に執着するあの吸血鬼は、父親の仇だ。何があっても、たとえ命にかけても殺すつもりでいた。
しかし、実際には傷ひとつつけることができない。
「絶対に殺してやる――アスランッ!」
少女は震える体を抱き締めたまま、吸血鬼が消えた闇を鋭い瞳で睨んでいた。
「殺したのは自分じゃない、ってなんで言わないの?」
民家の上を移動した先でアスランを待っていたのは、鳶色の髪を持つ同胞――キラという名の吸血鬼だった。
先ほどまでのやりとりを見ていたらしい仲間に、アスランは無言で冷ややかな目を向ける。
「だってアスラン、ここ十年は人なんて殺してないじゃない。あの子の父親を殺した奴だってだれか分かってるんでしょ?」
「関係ない」
アスランは先ほどまで少女に向けていた表情を一切消し、抑揚のない声で答えた。
相変わらずの親友の態度に、キラは肩をすくめる。
「よくわかんない。気に入ったのなら、さっさと血を吸ってモノにしちゃえばいいのに」
「そんなのはつまらないだろう。ただ従順なだけのカガリなんて、俺はいらない」
今ごろ地に伏せて震えているだろう愛しい少女がいる方向を向いて、美しい吸血鬼は目を細める。
「カガリは俺を憎めばいい。そして俺のことだけを考えていたらいいんだ。カガリの中が俺への憎しみで満たされてるのかと思うだけで、空腹なんてどうでもよくなる」
知らぬうちに、アスランの口元は孤を描いていた。
キラもまた彼と同じ方向を見る。そのまなざしにたっぷりの同情の念をこめて。
「あーあ。アスランにこんなに執着されて、かわいそうな子。絶対逃げられないよ」
「逃がすつもりなんてないさ」
低い声でそう言い放ち、アスランは背を翻す。
いまだに何かを言っているキラを無視して、屋根を蹴り夜の闇に飛んだ。
アスランの頭を占めるのは、焔を宿した瞳で自分を見る金の髪の少女のことだけだ。
カガリはアスランのためだけにハンターになり、自分を追いかけている。自分を憎み、いつも自分のことを考えている。そう考えるだけでアスランはどうしようもない快感を得られる。
カガリの血が、体が、すべてが欲しくて仕方がなかった。
彼女を求めて渇望する本能を抑えつけて、彼は嗤う。
我慢してとっておいて、最後にいただくごちそうは、さぞ甘美な味わいのすることだろう。
「愛してるよ――カガリ」
暗闇に体を溶かす最中で、最凶の吸血鬼は愛を囁いた。
***
黒ザラと言うよりはただの変態になってしまった感が否めない←
銀やら硝酸銀溶液やらの設定はトリニティ・ブラッドからお借りしてます。
私の吸血鬼ものの原点。
こういう血なまぐさい話も大好物です。
またリベンジしたいな~。
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