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雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
2025/05
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こんばんは。絶賛アスカガ不足で飢えている柳瀬です。アスカガ欲しい~!
いつの間にか前の更新から五日も経っていました。
サイトのほうも最近放置しっぱなしですみません。修羅場を超えたらここのログを収納するつもりです。
 
最近ロボットアニメが見たくて仕方ありません。
実は二年前までアニメと言うのをほとんど見ずに過ごしていた(はまるのはもっぱらゲームか漫画だった)ため、すこし前の名作とかをほとんど見れてないんですよね。年末年始は狩りをしつつ、昔のアニメに溺れる生活がしたいです。
相互リンクをさせて頂いている某小説サイトの管理人様が00を最近ご覧になっていて、感想を書いてくださっているを見て、00もまた見たくなってしまいました笑
 
続きより、現代を舞台に特殊設定のアスカガ。
人ではないものが見えるアスランと、それを祓えるカガリのお話。
興味のある方はどうぞ。
※12/19 18:00 500字ほど加筆しました※

拍手[10回]



 
 
 この痛みも悪くないと思えるようになったのは、彼女のおかげだった。
 
 蝉の声の響く町の外れを、アスランはのろのろと歩く。
 空は透き通るような青さをしていたが、彼の気分は最悪だった。
 頭と肩にひどく違和感がある。頭はガンガンと響くような痛みがあり、肩にはずっしりと重い感覚があって、ああこれはよくないな、と他人事のように考えた。
 それでも足を引きずるように前に進んで、自分を励ますように胸にかけられた赤い石のついた首飾りを握っていた。
 大丈夫。もうすぐ、もうすぐ解放される。
 そう言い聞かせながら歩き続けて、ようやく目的の場所、山の中へ続く古い石の階段に足を踏み入れたとき。突然冷たい風が吹いたかのような感覚があり、さっきまでの症状が嘘のように体が楽になった。
 重い荷を下ろしたかのような開放感に、階段に膝をつきながら大きく息を吐く。
 はあ、と呼吸を整えて、額に滲んだ汗をぬぐいながら顔を上げると、いつの間にか目の前に見知った少女が立っていた。
「カガリ……」
「またおまえか、アスラン」
 彼女――カガリはじと目でアスランを見下ろし、盛大にため息を吐いた。
「いつもごめん」
「謝らなくていい。ほら、さっさと来いよ」
 彼女は何かを払うようにアスランの肩をささっと撫でると、くるりと踵を返して階段を上っていった。アスランも立ち上がり、そのあとに続く。肩の重みはもうない。
 階段をのぼった先にあるのは、いつも世話になっている神社だ。その前を素通りして、同じ敷地内にある古い屋敷に入り、カガリの部屋に通される。
 座れと促されて、大きく息をついて力が抜けたようにその場に座り込んだアスランに、カガリがいつの間にか用意した湯呑みを差し出した。
「ほら」
「ありがとう」
 受け取って中に入っていた水をあおると、最後に体の中に残っていた淀みのようなものがすっと流されるような清涼な感覚がする。
「気分はどうだ?」
「だいぶ良くなった」
「なら、少し休めば大丈夫だろ」
 カガリがそう言って畳に座布団を敷き、手招きをした。アスランが礼を言ってその上に座ると、彼女も正面に座り込む。
「助かったよ。さすがはアスハ神社だ」
「おまえは変なものに好かれすぎなんだ」
 アスランの言葉に、カガリが呆れたように眉をよせる。
 彼女が言うとおり、アスランは『変なもの』に好かれる特異な体質だった。
 それは一般に目に見えないものであり、科学で証明できないもの。霊だとか妖だとかいう、人によってはオカルトだの非科学的だのと笑い飛ばすものだ。
 だが、アスランにはそれらが見え、そして憑かれやすい体質なのである。幼いころからまとわりつかれては体調を崩しつづけ、体質のせいで苦労してきた。
 そんな彼を救ったのが、このアスハ神社と神主の娘であるカガリだ。
 中学生のときに出会って以降、アスランは何かあるたびに彼女を訪ね、自分に憑いた良くないものを祓ってもらっている。
「それにしても、今日はまたずいぶんなやつをつけてきたんだな。ちゃんと護り石を持ってたんだろ?」
 カガリがアスランの肩のあたりを見ながら不思議そうに首をかしげる。ついさっきこの神社の敷地内に入るまで、そこには『ずいぶんなやつ』と彼女が言うほどのものが乗っていた。
「ちょっと学校の帰り道に会ってしまって。避けようとしたんだが、知り合いにあったせいでできなかったんだ」
 アスランは苦い記憶を回想する。ふだんはカガリにもらって胸につけている赤い護り石のおかげでそこまで困ることはないのだが、今日はたまたま通学路にまがまがしい大きな黒い塊がいるところに遭遇してしまったのだ。慌てて迂回しようとして、下級生だとかいう女子高生に話しかけられてしまい、動きをとめたところを憑かれてしまった。
「つくづく運ないなぁ、おまえ……」
「自覚はあるよ……」
 カガリに憐みの目で見られて、アスランは自嘲するように笑う。
「本当に困ったらシンを頼れよ。あいつでも応急措置くらいできるから」
「ああ、そうする」
 アスランと同じ高校の一つ下の学年には、カガリの弟弟子がいる。黒髪と赤い目が特徴的な彼は、何かとアスランに突っかかってきた。
 確かに毎回隣町のアスハ神社に足を運ぶよりは同じ学校のシンを頼る方が効率が良いのだが、それではアスランの目的が果たせないため、よほどのことがない限りそうすることはない。
 ――それがシンが怒る原因の一つであることなど、アスランは露とも気づいていないのだが。
 そう考えたところで、部屋の外から怒声が聞こえた。
「おいバカガリ! 掃除サボってどこ行ったんだよ!」
 ちょうど話題にのぼっていたシンが庭でわめいていて、カガリがため息を吐いて腰をうかす。庭に通じる窓を開け、シンのいる方向に向かって叫んだ。
「ここだ! アスランが来てるから、すこし外すぞ!」
「まーたアスランかよ! この色ボケ女ッ!」
 すこし離れたところにいたシンが、箒を持ったままべっと舌を出す。
 カガリはそれを無視しで窓を閉め、ついでとばかりに障子も閉めてシンの姿を完全に見えなくした。
「なーにが色ボケだ。自分こそそうじゃないか」
 シンがいた方向をじろりと睨み、カガリはもう一度大きなため息を吐く。
 一連の様子を見ていて、アスランは苦笑せずにはいられなかった。
 色ボケ、と言われてもカガリには覚えがないだろう。どちらかというと、それはアスランのほうなのだから。
 ――同じ学校のシンを頼らず、毎回神社に通う理由なんて決まっている。カガリに会いたいからだと言えば、彼女はどんな顔をするだろうか。
 きっと鈍い彼女のことだから、意味が分からないと首をかしげるだろうが。
 カガリは再び腰を落ち着けることなく、アスランの前を横切って扉の前に立った。
「悪い。まだ掃除が途中だったから、さっさと終わらせてくるよ」
「わかった。邪魔をしてすまない」
「気にするな。おまえはもう少しここで休んでいけよ。あとでちゃんとお祓いしてやる」
 そう言ってカガリは部屋を出ようとして、しかしぴたりと足を止めた。
「……」
「どうした?」
 アスランが不思議に思って問うと、カガリはふいに振り返って、彼のそばに膝をついた。
 そしておもむろに手を伸ばし、アスランの頭を抱き寄せる。
「カ、カガリ!?」
「よしよし。すぐ帰ってくるから、そんな顔をするな」
 カガリはアスランを胸に抱き寄せたまま、あやすように背を叩く。
 驚きのあまり真っ赤になっているアスランをよそに、抱き寄せたときと同じくらい突然に、彼女は離れていった。
「それじゃ、すこし待ってろよ」
 カガリは小さく笑んでそう言い残すと、今度こそ部屋を出ていく。
 残されたアスランは、呆然と彼女の消えた扉を見つめていた。
「……俺、そんなに顔に出てたのか……?」
 片手で口元を覆いつつ、思わずつぶやく。顔が熱くて仕方がなかった。
 別に、すこし離れるくらいどうってことないと思っていたはずなのに――彼女にはそう見えていなかったのだろうか。
 それにしても――彼女は自分を小さな子供かなにかと勘違いしていないだろうか、と思わずにはいられなかった。ふつう、同い年の異性にさっきのようなことはしないだろう。
 すこし情けないような気もしたが、アスランはそこで思考をやめた。彼女のことを完璧に理解できる日なんて、当分来ないと思う。
 それに、好きな少女に触れられて嫌に思うはずがない。
 きっとカガリは今から弟弟子のところへ行って、わめきあいながら掃除をするのだろう。ふたりは馬が合わないように見えて、そういう仲の良さの形もあるのだとアスランは知っている、
 カガリの部屋にひとり残され、アスランは壁に背をあずけて天井を仰いだ。
 この部屋は彼女の気配で満たされていて、ひどく彼を落ち着かせる。先ほどまで苦しんでいたことなど、簡単に忘れられそうだった。
 変なものに憑かれてばかりで、つくづく運のない自分の体質を、アスランは幼いころからずっと疎んじていた。
 それが悪くないと思えるようになったのは、つい最近のことだ。
 胸元に揺れる赤い石を握りしめ、アスランは瞼を閉じる。
「――きみのおかげだよ、カガリ」
 何があっても、彼女が救ってくれるから。
 小さく微笑むアスランの瞼の裏には、太陽のような笑顔が浮かんでいた。
 
***
こんなトンデモ設定ですが、みなさんお好きでしょうか?
実は結構前から考えていて、ちょこちょこ書いていたお話。
できればシリーズものとして拍手あたりで連載したいなと思ってるんですが、果たして実現できる日が来るのか笑
  
元々ずっとオリジナルで活動していたというのもあり、こういう特殊設定を考えるのが大好きだったりします。
アスカガに加え、是非とも兄妹弟子のカガリとシンの関係も推していきたいですね!笑
気まぐれに続いていきます。
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プロフィール
管理人:柳瀬
居住地:関西
最近カラオケで種のPVを見たことをきっかけに10年ぶりにうっかりアスカガが再燃した出戻り野郎。

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