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雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
2025/05
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またもや寝る前にふと思いついて睡眠時間を削って書いてしまいました。
 
運命後?のアスカガ前提のキラとシンのあほな話。
私にギャグは書けないと悟りました_(:3 」∠)_
大人しくいつも通り薄暗い話でも書いていよう……。
続きからどうぞ。

拍手[14回]



 
「なんなんすかね、あの人は……」
 シンがうんざりとした口調で言うのに、キラは報告書から顔を上げた。
 ふたりは今、愛機の整備がてらキャットウォークに座り込んで仕事をしている最中だ。
 盛大に顔をしかめたシンの視線の先を見てみると、眼下の格納庫で整備班となにやら話をしている彼の上官がいた。
「アスランがどうかしたの?」
「どうもこうもないですよ。なんですか、あの嫌味な人は」
「嫌味?」
 シンの言う意味が分からずキラが首をかしげると、シンは大きなため息をついた。
「品行方正、頭脳明晰、運動神経もずば抜けてて、容姿端麗。それにエリートパイロットでザフトの元トップガンときた。完璧を絵に描いたような男っ。嫌味以外のなんだって言うんですかっ」
 シンが拳を握りしめて心底嫌そうな顔で語る。
 キラはきょとんと目を瞬いてそれを聞いていた。
「まわりに褒められても驕りもせずに謙遜するだけ! 表情もそんなに変わらなくていつも険しい顔してると思いきや、不意に小さく笑ったりするし!」
「シン、よくアスランのこと見てるね?」
「『そんなニヒルなところも素敵よね~』『クールでカッコイイわ~』なんて周囲の女性陣が騒いでることなんてこれっぽっちもわかってないんだろうよ! 『職場でのアスランさんってどんな人なの?』ってしょっちゅう部下のおれが問い詰められてることも知らずに! あームカつくっ! なんだあの人!?」
「うーん。よくわからないけど、シンがアスランのことをすっごく高く評価してるってことだけはわかったよ」
 のほほんとした笑みを浮かべてキラが言ったことなど耳に入っていないのか、シンはきっと遠方のアスランを睨んだままだった。
 そんなシンを見て、キラはすこし考えこむそぶりをする。
「アスランって確かにすごいけど、でも実はけっこう抜けてたりするよ。人見知り激しいし、シンも言った通り女の子の気持ちにすごく鈍かったりするし」
「そりゃあそうですよ! それくらいの欠点がなかったら困る!」
 シンがわめきながら手元の報告書に目を落とした。
 ぶつぶつ文句を言いながらもしっかり仕事をしていて、怒りながらも職務を果たすなんて器用だなあとキラは他人事のように思う。
「それにしてもあの人、本当にそういうの鈍いですよね。〝ミネルバ〟にいたときだってなんかモテモテだったらしいんですけど、全然気づいてなかったってルナが言ってました」
 シンが眉をしかめて報告書を睨みながら言う。
 キラは自分の報告書をそっちのけにして、アスランを見ながら考えた。
「うん、全っ然気づかないよ。むかしもたくさん女の子にアプローチされてたんだけど、ひとつも気づいてなかったもん」
 頬杖をつきながら親友の観察をしていると、ふとアスランが顔を上げた。
 何かを見つけたらしいアスランの表情がそれまでのものと一変する。その先を追って、キラはああ、と納得した。
「カガリが来たみたい」
「えっ」
 苦手な人物の名にシンがぎょっと顔を上げて、下を覗き込む。
 格納庫の入り口に、軍服姿のカガリが立っていた。こちらには気づいていないようで、アスランに向けて手を上げると、彼のほうへと歩いていく。
 アスランもまたカガリのほうに向かって行って――その表情を見て、シンが素っ頓狂な声を上げた。
「ちょっ――キラさん、あれ誰ですかっ」
「きみの上官のアスラン・ザラだよ」
 見るからに動揺しているシンの姿に、キラが苦笑する。
 それもそのはず――眼下にいるアスランの顔は今、すっかりゆるみきっていた。
 カガリのそばに立って、甘ったるい視線で彼女を見、微笑んでいる上官の姿に、シンが絶句する。
「――はあ!? 嘘だろ、誰なんだよあれ……っ」
 口角をすこし持ち上げてちいさく微笑むアスランの姿なら、数こそ少ないがシンも見たことがある。そのときはこの人でも笑えるんだ、と変に感心したものだ。
 しかし、今の彼は――目を細めて、頬を緩めてカガリを見つめる男の顔は、シンが目にしたことのないものだった。
 すっかり固まってしまっているシンを前に、キラが笑いながら首をすくめた。
「――うん、まあ……カガリのこと大好きだから。アスランは」
「あのアスランが!? 恋愛なんかこれっぽっちも興味なさそうな顔で、仕事のためだけに生きてるような機械人間みたいな男がぁっ!?」
「たぶんね、カガリ以外の女の子にはホントに興味ないと思うよ」
 キラがあははと笑うと、シンは目を見開いたまま固まり、手に持っていた報告書を落とした。
 階下では、微笑んだアスランがカガリの肩に手をおいて、なにやら耳打ちしている。とたんにカガリが焦ったように顔を赤くして、アスランの顔を押しのけていた。アスランはそんな抵抗すらも笑って受け入れている。
「うわあ……なんかいちゃいちゃしてる」
「い、いちゃいちゃ……」
 キラが手すりから身を乗り出して下を覗く一方、シンは顔を引きつらせていた。
「あ、アスランの欠点もうひとつ。カガリのことになると周りが見えなくなるところ」
 キラがにこやかな笑顔で放った一言は、シンにさらなる大ダメージを与えた。
 ――人間誰しも、知りたくないことのひとつやふたつある。あのパーソナルスペースの広いアスランが、誰かに触れているなんて。あまつさえ『いちゃちや』しているなんて。完璧人間なはずの英雄が、女一人で周りが見えなくなるなんて!
 シンの中では、彼の上官に対する意識が――本人は頑なに認めようとしないが憧れともいう――がらがらと音を立てて崩れていっていた。
 
「――い、嫌だあ~っ!!」
 
 頭を抱えて天を振り仰いだシンの絶叫が格納庫に響き、下のアスランから説教が飛んでくるまで、あと数秒。
 
***

アスランが大好きなシンちゃんが書きたかったけど失敗←
ツンツンしてるけどアスランが気になって仕方ないシンとだいたいカガリしか目に入ってないアスランのどたばたコメディものをどなたか書いてください⊂⌒~⊃。Д。)⊃
 
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プロフィール
管理人:柳瀬
居住地:関西
最近カラオケで種のPVを見たことをきっかけに10年ぶりにうっかりアスカガが再燃した出戻り野郎。

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