雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
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ふと思いついたので書いてみたもの。
就寝前、ベッドに横になったときに思いついて、その勢いで起きて書き上げたので、睡眠時間が一時間減りました笑
運命後、ある事件により記憶喪失になったカガリをシンが護衛しつつ面倒見るというトンデモ設定です。一応アスカガ前提のシン+カガですが、アスランは今回出てきません。
突然始まり突然終わります注意!
就寝前、ベッドに横になったときに思いついて、その勢いで起きて書き上げたので、睡眠時間が一時間減りました笑
運命後、ある事件により記憶喪失になったカガリをシンが護衛しつつ面倒見るというトンデモ設定です。一応アスカガ前提のシン+カガですが、アスランは今回出てきません。
突然始まり突然終わります注意!
コンコン、と雑なノックの音がして、返事をする前に扉が開かれた。
「おはよーございます」
昨日と変わらぬ仏頂面で部屋に入ってきたのは、黒い髪と赤い目を持った青年。
三日前に出会った彼は、シンと名乗った。
「おは、よう」
ぎこちなく挨拶を返したカガリを気にもせず、シンはずかずかとベッドまで近づいてきて、上半身を起こした彼女の手をとる。
ベッドのそばに置いた椅子に腰かけ、サイドテーブルから小さな機械と体温計を取り出し、体温計をカガリに差し出してきた。
「はい。熱はかってください」
「……わかった」
いつでもぶっきらぼうなその声は、どう対応すればいいのかと、カガリを困惑させる。
とりあえずと体温計を脇にはさんだところで、シンがカガリの指先に機械をとりつけ、なにやら紙に書きこんでいた。何をしているのかと聞いたカガリに、「あんたの体調管理には一番気を使え、って上司に言われてるんです」とすこし嫌そうな顔をして彼が言ったのは昨日のことだ。
朝の日課のチェックを済ませると、シンが彼女に着替えを手渡し、「ひとりでできますよね」と言いおいて部屋を出ていった。
カガリは素直にそれに従い、寝間着を脱いで渡された服に袖をとおす。
不思議とサイズがぴったりな服に着替え終わったところで声をかけると、シンが再び部屋をのぞきこんだ。
「それじゃ、朝飯にしますよ。下まで降りてこられますか」
「ああ」
カガリはベッドから足を下ろし、立ち上がろうと力をこめた。
しかし、腰を浮かしたとたんに足から力が抜け、床にへたりこんでしまう。
「あ、れ……?」
思うように足に力が入らず戸惑うカガリをよそに、すこし離れて見ていたシンは大きくため息をついた。
「――まずは歩くリハビリからしなきゃいけないか……」
黒い髪をくしゃくしゃと片手でかき混ぜ、彼はカガリのそばまで歩み寄る。
そういえば、カガリがベッドから降りたのは、この屋敷に来てから初めてのことだった。一昨日は目覚めたばかりで意識が朦朧としており一日寝たきりだったし、昨日は意識こそはっきりしたものの療養のためにとベッドの上で食事をして暮らしていた。それより前、カガリが覚えていない間もずっと寝たきりでいたようで、筋力が衰えてしまっているのだろう。
シンはカガリの前の膝をつき、わずかに顔をしかめた。
「……これは不可抗力なんだから、あの人に怒られるいわれはないよな」
ぼそりとそう言った彼に、カガリが何のことかと問おうとした瞬間、体がふわりと浮いた。
シンがおもむろにカガリを抱き上げたのだ。
「なっ!?」
「――適当につかまっててください。さらに怪我なんかされちゃたまりませんから」
彼は心底面倒くさそうに言うが、どうやらカガリを気遣っているらしかった。
カガリはすこし迷ったが、不安定な体勢にたえられず、シンの肩につかまる。彼は何も言わずにそれを受け入れて、彼女を抱いたまま部屋を出た。
ここでシンと暮らし始めて、今日で三日になる。彼はずっとこの調子だった。
この孤島にある屋敷には、カガリとシンのふたりきりしかいない。
シンはカガリに「カガリ」と言う名前と、大きな事故に巻き込まれたのだということ、そのおりに記憶を失ってしまったこと、長らく意識が戻らずにいたこと、体が回復するまではひとまずこの屋敷で暮らすのだということだけを告げた。
自分はカガリの友人の部下であり、面倒を見るように言われたのだ、とシンは言う。そのとき彼の顔には不本意たまりません、とありありと書いているように見えた。シンの態度は決して友好的なものではなく、敬語は使うもののその口調は粗野なもので、不愛想で仏頂面を絶やさなかった。それでも、行動ではカガリの世話をしてくれているため、どう接すればいいのかと彼女を余計に困惑させた。
別に乱暴にされているとか、ないがしろにされているなどということはない。むしろ、粗野に扱っているように見えて、その実カガリが不自由しないようにと彼が気を使ってくれているようにすら思えた。今だって、歩けないカガリをわざわざ抱き上げてまで運んでくれているのだ。きっとそのことを口にしたら、彼は嫌そうな顔をするだろうから、黙っているけれども。
無駄に広い屋敷の廊下を歩き、階段を下り、また廊下を移動して、彼は食卓の椅子へとカガリを座らせた。そして目の前にあらかじめ用意していたらしい朝食の乗ったトレイと、コーヒーを淹れたマグカップを置く。
「言っときますけど、ちゃんとした飯が出るのはこれで最後ですから」
シンは自分の食事も用意し、向かいに座りながら話した。
「料理できる人に作りおきしてもらったぶんは、これで終わりなんで。昼からは……まあ食べられはしますけど、大してうまくも豪華でもないもんが出ると思っててください」
「ひょっとして、シンがつくるのか?」
カガリが聞くと、シンは盛大に眉間にしわを寄せた。
「そうですよ。――ったく、あの人たちはおれを何だと思ってんだ、本当に! 料理なんてできると思ってんのかよ」
シンは吐き捨てるようにひとりごちて、苛立ちを隠さず雑な動作で食事を口に運び始めた。
それを見て、カガリも朝食に手を付ける。
シンはたびたび一人で愚痴を言っている。どうやらそれは彼にカガリの世話を頼んだという上司のことらしかった。
そのたびにカガリは申し訳ないような気分になって、二日目に思わずシンに謝ったのだが、彼は少しの間沈黙したあと、あんたに言っても仕方ないんでしばらくおれで我慢してくださいと返しただけだった。
やはり、シンとの接し方はわからない。嫌われているのかとも思ったが、行動からしてみると、一概にはそうは言えないようだった。だが好かれているとも思い難い。ひょっとしたら、シンは誰に対してもこんな人間なのかもしれないが、そう断定するにはカガリにはシンの知識がなさすぎる。
距離を測りかね、必要最低限の会話しか許されていないような気がして、自分のことを尋ねることもできずにいた。自分はどんな人間だったのか、何故事故にあったのか――そういった大事な情報を、まだカガリはまったく知らなかった。
あたためられた食事を口にしつつ、ひとり思案する。
「――あのさ、シン」
すこし考えてから口をひらくと、シンが黙って顔を上げた。
「その、食事くらいなら、わたしが作るよ」
「……あんた今自力で立つこともできないじゃないですか」
シンが頬杖をつき、呆れたように言う。
しかしカガリは折れなかった。
「それは、ちゃんとリハビリするから。できるようになったやらせてほしい」
「料理なんてできるんですか?」
「……できなくはないと思う」
記憶はないけれど、ふたりぶんの簡単な食事くらいは作れるだろう、とカガリはうなずく。
シンは額を押さえるようにして、なにやら考え込んでいるようだ。
「――この人に料理とか雑用なんかさせたら、おれ撃たれたりしないよな……それくらいはわかってるか、あの馬鹿上司も……」
ぶつぶつと呟いてから、シンはカガリを見た。
「わかりました。それじゃ、まず今日はリハビリからってことで」
「――ありがとう」
カガリが思わずつぶやいた感謝の言葉に、シンは一瞬目を丸くしたようだが、何も言わずに食事を再開した。
そんな彼を見ながら、カガリはほっと胸をなでおろす。
さすがに、シンひとりに何もかもをさせているようでは、申し訳なくて仕方がなかったのだ。しかし、これで自分も何かをすることができる。料理でも洗濯でも、できるかぎりのことをすれば、そのぶんシンの負担を減らしてやれるだろう――そう思うと、なにも分からない日々のなかでも、すこし気分が明るくなった。
ふと、カガリの世話をするシンちゃんを書いてみたいなあと思いまして……。
オフでやらなきゃいけないことが溜まってると現実逃避したくなりますね←
シンにカガリを無理やり任せた上司というのはもちろんアスランとキラです笑
上司からの理不尽な命令にぶつくさ文句言いつつも従ってるシンちゃん。
こんなシン+カガが見たいなあって……(丸投げ)
イマイチ敬語使えてないシンちゃん大好きです。
続くかどうかは未定。一応大まかな流れは考えてはいるので、アスランが出てくるあたりまでは書いてみたいのですが……。
最近書きかけばっかりで申し訳ありません(ノД`)・゜・。
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