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雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
2025/05
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今更ながらFate/Apocryphaにドハマりしました。
アニメで初めて見たんですが、面白いですね…22話~23話で完全にアキレウスに落ちました。
元々stay nightのランサーが好きなので…漢気のあるキャラっていいなぁ。
原作5巻をアマゾンで衝動買いして、読みふけっています。
アキレウスに落ちたのは魔獣アタランテとのやりとりがきっかけなんですが…やっぱり闇落ちは最高だ~。
好きな女が魔獣に堕ちてしまったのを、自らの命を懸けて止めるという展開にハマらないはずがなかった…。最後の二分で泣かされました。
闇落ちした男を女が止めるっていう展開はたまに見ますが、逆はあんまり出会ったことないんですよね。
絶望の果てに狂ってしまうキャラクターが好きです。天草くんとかアタランテとか。
シンちゃんもそのタイプだな~。
……こんなことばっかり言ってるから私が闇属性だとか言われるんですね。
 
 
さすがに二ヶ月以上更新しないのもどうかと思うので、Twitterに載せていたものを再掲します。
(※改行がうまくできていなかったので加筆しました)
TEXTメニューにある『トリコロールシンドローム』シリーズと同じものです。
今回はキラとカガリのお話。
本当はもう一作書いて拍手お礼文にするつもりだったんですが、いつになるのかわからないので……。
新しいものでなくてすみません。
トリコロールシリーズは何故か好きだと言ってもらえる回数が多いです。
皆さん意外と三つ巴好きなんでしょうか。
年末のお休みの暇つぶしにでもなれば光栄です。
 
続きからどうぞ。

拍手[15回]


 ぼくは冬が好きだ。
 できればずっと、春が来なければいいと思う。
  
 
「ただいま! あー、寒かった!」
 玄関からばたばたと音が聞こえて、少しして部屋に入ってきたのはカガリだった。
 ぼくはソファで読んでいた本を閉じて、鞄からお弁当箱を取り出しているカガリを見る。
「おかえりカガリ。アスランは一緒じゃなかったの?」
「途中で別れた。図書館に寄りたいんだってさ」
「カガリは一緒に行かなかったんだ」
 珍しいねとぼくが言うと、カガリが脱いだコートを壁のハンガーにかけながら答える。
「だってあいつ本を読み始めると長いんだ。待ってられないから、置いてきた」
 カガリはどちらかというと静かな空間よりにぎやかな空間の方が好きだ。図書館でじっとしているのが苦手で、そういうところがとてもカガリらしいと思う。
「あいつ、私が先に帰ったことも気付いてないんじゃないかな」
「それはないと思うよ」
「そうかぁ?」
 カガリは疑うけれど、あのアスランがカガリがいなくなったことに気付かないはずはない。それでもカガリと別れたくらいだから、よっぽど読みたい本があったんだろう。きっと今日は夕飯ぎりぎりまで帰ってこないな、と頭の中で遅めのご飯の予定を立てる。
「というか、この部屋さむいぞ! 暖房はどうしたんだよ」
「これがあるからいいかなぁって」
 ぼくはソファに腰掛けたまま、ひざかけをめくって隠れていた湯たんぽを見せた。ストーブとかホットカーペットとか、家には色んな暖房器具があるけど、ぼくは一番これが好きなんだ。
「それ、あったかいのおまえだけじゃないか」
 カガリはそう言って口を尖らせながら、ソファの背にかけてあった赤色のブランケットをとる。それを体に巻きつけながらぼくの隣に座った。
 ぼくの左半身に体幹を押し付けるような感じで体をくっつけて「さむい」と繰り返し言う。カガリは寒いのが苦手だ。
「大丈夫? あたたかいコーヒーでもいれる?」
「キラはコーヒー飲めないだろ」
「ぼくはカフェオレにするよ。いれてくるから、待ってて」
 ケトルを沸かすために立ち上がろうとすると、腕を掴まれた。見下ろすとカガリの深い橙色の目と視線が合う。
「寒い」
「カガリ?」
「寒いんだ、キラ」
 その一言だけで、ぼくはもう動けなくなる。
 カガリが両手を広げて差し出してきたのを、黙って引き寄せる。ぼくとカガリの間で湯たんぽを挟むようなかたちで、正面からカガリの体に腕をまきつける。
 カガリがぼくの首に両腕をまわして、胸に顔を埋めて満足そうに息を吐いた。
「あったかいな」
「そうだね」
 本当は、三人のうち最初に帰ってきた人が暖房をつけて、家をあたたかくしておくのがぼくらの習慣だ。でもぼくは知ってて湯たんぽしか使わなかった。
 そうしたら、寒さが苦手なカガリがこうして暖をとりにくるって、わかっていたから。
「アスランが帰ってくるまでに暖房をつけなきゃね」
「そうだな。あいつも寒いのだめだし」
「でも、もう少しこのまま?」
「うん」
 カガリがうなずいて、ぼくの首筋に頭をこすりつけてくる。きっとこんなことをアスランにすると、すぐにスイッチが入っちゃうんだろう。実際に、寒い日にカガリが人肌を求めてきて、そのまま二人か三人ですることは多い。ぼくは妹が大事だから、まずはカガリをゆっくりさせてあげることを優先してあげるんだけど。
「さむいのやだなぁ、早くあったかくなればいいのに」
 カガリは冬が嫌いで、夏が好き。アスランは季節には頓着しないけど、寒いのも暑いのも好きじゃない。ぼくは冬が好きだけど、春が好きじゃない。
 だってあたたかくなると、カガリがこうしてくっついてこなくなるから。正確には、カガリは年中ぼくに抱きついてくるけど、人肌の暖かさを求めてくるのは冬だけだ。冬は寒いから、ほとんど四六時中ぼくかアスランにくっついていてくれる。ぼくが一番暖かいんだって、前にカガリは言っていた。
 それに、春は出会いの季節だとかいう。別れもあるし出会いもある。入学、クラス替え、卒業。そのどれもぼくは好きじゃない。だってたとえぼくたちが同じ学校にいたとしても、ぼくとアスランが同じクラスになる可能性はあるけど──でもその確率もとても低い。ぼくとアスランは同じくらい成績がいいから──ぼくとカガリが一緒になれることはないんだ。ぼくたちは双子だから。
 双子であり血の繋がった家族であるというのは、ときどき、何よりも遠い関係なんだと思い知らされる。春はそんな季節だった。
 出会いも別れもいらない。ぼくらはぼくらのままでいられたらそれでいい。
「なぁ、何考えてるんだ?」
 ふとカガリが顔を離して、ぼくの目を覗き込んでくる。彼女はときどき鋭くて、ぼくやアスランが変な思考に陥ってるとこうしてすぐに気づいたりする。
「別に、なにも」
「うそだ。何か難しいこと考えてただろ」
「冬がずっと続けばいいのにな、って思ってたんだよ」
「えー、寒いじゃないか」
「でも食べ物がおいしいでしょ? お鍋とか、みかんとか」
「焼き芋食べたいな。あっつあつの」
「それじゃ秋だよ」
「冬だってあるじゃないか。あとおもち!」
「ほら、やっぱりカガリも冬が好きだ」
「でも寒いのはきらいだ!」
 カガリがむきになって言うので、つい笑いたくなる。
 冬が過ぎて、春が来て。夏と秋が来て、また冬になる。そうして季節はめぐり、一年が過ぎていく。
 今からなんども季節が過ぎて、年月が経っても、ぼくたちはずっと一緒にいられるのかな。カガリとアスランは結婚したらいいと思うけど、そうなったとき、ぼくはそばにいられるんだろうか。
 世間的には、結婚した夫婦とそのきょうだいがずっと一緒にいるなんて変に思われるんだろう。ぼくとカガリは、今はどれだけ仲が良くてもくっついていても、きょうだいだからという理由で許されるけど、それももうあと数年で終わる。そうしたらきょうだいは、きっととても遠い関係になる。ぼくとアスランも、必要以上に近い存在ではいられなくなる。
 寒い日に、この寒さがいつかなくなる春のことを考えると、いつもそんな寂しい未来がぼくの頭をよぎるんだ。
「ねぇ、カガリ」
「なんだ?」
「カガリはぼくのこと好き?」
「大好きだぞ」
 カガリは当たり前のように即答してくれた。まっすぐ気持ちを伝えてくれる彼女が愛おしくて、その頬にキスをする。
「ぼくも、カガリとアスランが大好きだよ」
 
 
 春なんてこなければいいと思う。
 ずっと冬でいたらいい。
 そうしたらぼくらは一緒に冬眠をするだろう。
 そして、三人だけの幸せな夢を見るんだ。
 
  
***
トリコロールシリーズが寒い季節ばっかりな理由。
出てきた食べ物みんな日本のものじゃない?とかいうのはスルーしてやってください。
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プロフィール
管理人:柳瀬
居住地:関西
最近カラオケで種のPVを見たことをきっかけに10年ぶりにうっかりアスカガが再燃した出戻り野郎。

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