雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
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TwitterにUPしたものの再掲です。
吸血鬼パロかつ高校生なアスカガの話。アスランが吸血鬼です。
Twitterで仲良くして頂いている絵師様が前に吸血鬼パロを描いて下さったので、そのお礼に書いたものです。
サイトにある吸血鬼パロとは別の設定です。
続きからどうぞ。
吸血鬼パロかつ高校生なアスカガの話。アスランが吸血鬼です。
Twitterで仲良くして頂いている絵師様が前に吸血鬼パロを描いて下さったので、そのお礼に書いたものです。
サイトにある吸血鬼パロとは別の設定です。
続きからどうぞ。
白い、白い肌が目に痛かった。
目の前に差し出された首筋。カガリは自ら上着をはだけさせて、胸元を包む下着から細い首筋までもを惜しげもなく晒していた。
アスランは彼女の肌から目を離せずにいた。白くて細い首筋の下には、表面上には見えない太い血管が通っている。中を巡る血液はきっと芳醇な香りがすることだろう──そんなことを無意識のうちに考えてしまって、アスランははっとした。
「……ッ、やっぱり……だめだ」
口元を押さえて呻くように言う。目を逸らしてそうしていないと、今にも目の前のやわらかな肌に噛み付いてしまいそうだ。
苦しい、苦しい。
欲しい──彼女の血が。
「いいから吸えって。私のことは気にするな」
「……いやだ」
心配そうにこちらを覗き込むカガリの瞳に自分の姿が映る。血走った目でカガリを見つめる己は、さながら化け物のような姿をしていた。
「アスラン……このままじゃ、おまえが倒れちゃうだろ」
「……それでも、だめなんだ」
アスランの脳裏にぐったりとした少女の姿がよぎる。
前回にアスランが『こう』なったとき、彼はカガリの首筋に噛み付いて衝動のままに血を啜った。そして絶望した。
ふと正気に返って、腕の中でぐったりとして動かない少女を見たときのあんな絶望など、もう二度と──。
そんなアスランの思いとは裏腹に、カガリはふたたび肌を晒してきた。──それを跳ね除けられない本能を、彼は呪った。
「いいんだ、アスラン。吸って」
「……ッ」
飢えのあまり意識が朦朧とし始めたアスランを、優しい手が引き寄せる。顔を埋めた彼女の首元からは、薄い皮膚ごしに芳しい香りが──吸血鬼としての彼が最も欲する血の匂いがした。
カガリが子供をあやすように髪に指を差し入れて、アスランの頭を優しく撫でる。
「──おなかいっぱい食べろよ」
その声に促されるように、彼は牙を突き立てた。
「は、あ……っ」
アスランが牙を抜くと同時に、彼の頭を抱いていた腕から力が抜けた。
「カガリッ!」
くずおれたカガリの体を咄嗟に抱きとめる。カガリは苦しげに眉を寄せてはいたが、意識を保っていた。
「カガリ……」
「なぁ……おいしかったか?」
彼女はアスランを見上げ、力なくそう聞いた。アスランはぐしゃぐしゃになった顔で、頷くしかできなかった。
「……あぁ」
カガリの血以上に甘美な味わいのするものを、アスランは知らない。──知りたいとも思えないのだ。自分がそうすることがカガリを苦しめているとわかっていながら。
アスランの体はこれ以上ないまでに満たされていた。先ほどまでの飢えが嘘のようだ。
カガリはアスランの腕に抱かれながら、弱々しい動きで腕を持ち上げた。アスランの頬を撫でて、力なく笑う。
「なら、よかった……」
それだけを告げて、彼女は意識を失った。
肌を晒したまま、無防備に眠る少女を、アスランはただ強く抱きしめた。
彼は吸血鬼だ。高校生になって吸血衝動に目覚めるまで、そうとは知らず生きてきた。──自分が化け物だと知らずに恋をした。
「……ごめん、カガリ」
カガリの血──彼女の命を吸って、彼は生きている。
***
好きな人の血を飲まなきゃ生きていけないのに、飲みたくない葛藤を抱える吸血鬼パロって最高だと思います…。
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好きな人の血を飲まなきゃ生きていけないのに、飲みたくない葛藤を抱える吸血鬼パロって最高だと思います…。
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