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雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
2025/05
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もう三か月も更新してないのか……すみません。
最近時間の流れの速さをひしひしと感じております。
 
やっとスパロボVをクリアしました。2月に買って、最近再開してやっと…長かったです。
SEED勢はあまり出番がありませんでしたが、普通に面白かったです。
気になったのはナデシコとクロスアンジュ。両方原作を知らないんですが、思った以上にシビアな話でびっくりしました。
フルメタも今回メインに入ってて、元々宗かな好きな身としては幸せでしたね。
かなめがレナードに攫われてからの話が中心だったので、宗かなは完全に相思相愛のらぶらぶ状態でした。宗介がおまえ誰だよってレベルで「恋い焦がれる君のために戦っている」とか「君さえそばにいてくれたらなんでもできる」とか「千鳥が待ってるから早く済ませてくれ」とかばっかり言ってましたね笑
アスランも今回はプレイヤーキャラクターとして参戦してましたが、だいたい女難ネタが多くて、スパロボでの扱いは相変わらずでした。
個人的にはアスランとカガリが直接言葉を交わしてくれただけで大満足です。二人が話したのZ無印以来では……ずっと別行動してたからなぁ。
アスカガ要素は少なかったですが、十分に楽しませてもらいました。気が向いたらもうちょいしっかり感想書くかもしれません。
   
続きから、久しぶりに書いたSSです。珍しくTwitterの再掲ではありません。
アスカガのような、アス+シン+カガのような……。
久々に書いたので難産でした。リハビリしないとな~。

拍手[22回]



 
 アスランはあまり眠らない。
 そのことに気付くまで、そう時間はかからなかった。
 
「眠らないんですか」
 時計の短針が真上を指して少したったころ、その上官は共用スペースにいた。
「シン? こんな時間にどうしたんだ」
「別に、たまたま目が覚めたから水を飲もうと思っただけです」
 通りざまにアスランが操作しているコンピュータ端末を覗くと、画面にはびっしりと書かれた報告書が表示されている。予想通り、アスランはこんな夜中にも仕事をしているようだ。
「アスランは、寝ないんですか」
「もう少しきりのいいところまでやったら寝るよ」
 そう言いながらもあと数時間はこうしているであろうアスランの姿が、シンは容易に想像できた。
 夜中に仕事をしているアスランを見るのはこれが初めてではない。
 整備班によると、ほとんど一晩中機体のコックピットにこもっていることもあるのだという。
 そんな不摂生な生活は軍人としてどうかと思うが──シン自身も決して軍人の鑑と言える人間ではないということは置いておいて──この上官の厄介なところは、睡眠不足によるミスをしたことがないところだ。だから誰も咎められないし、おそらくタリアも気付いていながら黙認している。
 同じ赤服ではあるが、シンとて夜になれば眠くなるし、睡眠時間が短ければ寝不足でミスをすることもある。
 だが、アスランとの違いは単純な実力の差から生まれるものではないのだろう。
「──眠るのが怖いんですか」
 そう思ったのは、なんとなくだ。
 なんとなくそう思って、気付いたら口にしていた。
 子供に対するような問いかけを、アスランは馬鹿にするでもなく、かといって否定することもなかった。
「どうしてそう思うんだ?」
 アスランの表情は凪のように穏やかで、何の感情も読みとれない。
「別に……なんとなくです」
「じゃあ、シンは眠るのが怖いのか」
 そんなわけないだろ。
 いつものシンなら眉を吊り上げて大声でそう反論していた。それをしなかったのは、自分でもよくわからないざわざわとした感情が邪魔したからだ。
 夜、横になって瞼を閉じたときに浮かぶものがある。
 街を焼く炎。空を飛び交う戦闘機。
 ──死んでいった仲間たち、家族の姿。 
 今でも時折シンの眠りを妨げるものたちが、何故か目の前のアスランの姿に重なった。
「──怖いわけないでしょう。子供じゃないんですから」
「そうだな。悪かった」
 静かな声で否定したシンに、アスランは小さく苦笑した。
 アスランの表情はやはり穏やかだった。
「何でもいいですけど、たまにはさっさと寝てくださいよ。あんた、ワーカーホリックなんですから」
「そんなことはないと思うんだが」
「自覚なしとか、よけい重症ですね」
 シンはそれだけ言い放つと、手にした水分パックを一気に飲み干し、ダストボックスへ放り込んだ。
 今から帰るシンの自室にはレイが寝ている。
 過去の経験から、シンはときどき悪夢にうなされて、気付いたレイが起こしてくれることがある。
 しかし、ひとりきりの部屋で生活しているアスランを起こしてくれる人間は、誰もいないのだろう。
「──それじゃあ、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
 シンが去り際に肩越しに振り返ったとき、アスランはすでにコンピュータ端末へと視線を向けていた。
 
 きっと今夜も、彼は眠らないのだろう。
 
   ***
 
「失礼しま……す?」
 ノックをして部屋に入ろうとしたシンを迎えたのは、口元に人差し指を立てたカガリだった。
 シンはぎょっとして執務室のネームプレートを確かめる。確かにそこには彼の上官の名前があった。
「ちょ、なんであなたがここに……」
「しーっ、静かに」
 オーブに来てからも苦手意識の消えない相手を前にシンはたじろいだが、カガリは気にする様子もなく部屋に招き入れた。
「ごめん、アスラン今寝てるんだ」
「は?」
 カガリが指さした先を見やると、確かにシンの探していた人物──アスラン・ザラがいた。
 ソファに寝そべりながら肘掛けに頭を乗せて、窮屈そうに長い足を折っているのは確かにアスランだ。瞼はしっかりと閉じられており、胸がかすかに上下していることから、眠っているのは間違いないのだろう。その体には、カガリが用意したであろうブランケットがかけられている。
「ずいぶん疲れてたみたいだからさ、私が無理言って寝かしたんだよ。今回は大目に見てやってくれ」
「はあ……そりゃあ、まあ」
 今回は──とカガリは言ったが、シンの記憶にある限り、あのアスラン・ザラが仕事中に居眠りをしている姿など見たことがない。むしろ必要な睡眠時間を削って仕事をしているような男だ。
 それだけに、シンは自分の目が信じられなかった。
「アスラン……寝てるんですか? 本当に?」
「ああ。言っとくけど、ちょっとやそっとじゃ起きないぞ。あいつ一回寝たらぐっすりだからなぁ」
「ぐっすり……?」
「よく寝る奴だよ。何故か仕事の日はきちっと起きるんだけど」
 かわいげがないよなぁ、とカガリは笑う。
「そういえば、何か用があったのか? 用事なら代わりに私が請け負うぞ。あいつはもう少し寝かしてやりたいんだ」
「いえ、急ぎではないんで……」
「そうか、悪いな」
 カガリは朗らかに笑うと、執務机に戻った。机の上に広げられているのは、おそらく持参した自分の仕事だろう。
 シンはカガリの姿を見、それからソファの上のアスランを見た。
「──この人、あまり寝ない印象を持ってたんですけど」
「ん? アスランか。そうだなぁ、確かに仕事中は放っといたらいつまでも起きてるよ。だから時々こうして無理矢理寝かせてるんだ」
「……手のかかる人なんですね」
「ああ、まったくだ」
 そう言って笑うオーブ国の代表は、まるでいたずら好きな子供のような表情をしていた。
 平然とした様子で仕事に戻ったカガリと、目を覚ます様子のないアスランの間に立ちながら、シンは呆然とする。
「とりあえず……おれは出直しますんで。起きたら言っといてください。居眠りした代わりにおれのぶんも働いてくださいねって」
「はは、シンは容赦ないな」
「常日頃、眠れるときに眠らないこの人が悪いんですよ」
 それだけを言い残すと、シンは背を翻した。その背にカガリが「ありがとうな」と声をかける。
 先ほどくぐったばかりの扉から出て、今後の予定を頭の中で組み直す。アスランに書類を渡せなかった以上、今の仕事はこの先には進めない。代わりに別の予定を組み込んで、残りの時間を有効に使わなければいけない──当初の予定を崩されたことが億劫だった。
 だが、シンの頭からは先ほど見たアスランの姿が離れなかった。
 カガリの隣で眠るアスランは、確かに顔に疲れがにじんでいたが、穏やかな表情をしていた。そこにシンの知る孤独な彼の姿はない。
  
「──ちゃんと眠れるんじゃないですか」
 明日会ったら文句を言ってやろう──そんなことを考えながら帰路につくシンの足取りは、どこか軽かった。
 
***
わかりにくいですが、前半は運命中、後半は運命後の話です。
カガリがいないと眠らないアスランの話が書きたかったんですが、伝えられた気がしません…。
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管理人:柳瀬
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最近カラオケで種のPVを見たことをきっかけに10年ぶりにうっかりアスカガが再燃した出戻り野郎。

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