雑記やら拍手お返事やらSSやらを好き勝手に書いています。
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久しぶりにOfflineページを更新しました。
冬インテの新刊ですが、まだ僅かですが通販分が残っています。
重ねてになりますが、今回の在庫がなくなったら通販は再開しませんのでご注意下さい~。
続きより、Twitterに上げた三隻同盟時の16歳アスカガです。
カガリに急に「大好きだぞ!」と言われて戸惑うアスランが見たくて書きました。
思い付きで書いたので読みにくいところがあるかもしれませんがお許しください。
続きからどうぞ。
冬インテの新刊ですが、まだ僅かですが通販分が残っています。
重ねてになりますが、今回の在庫がなくなったら通販は再開しませんのでご注意下さい~。
続きより、Twitterに上げた三隻同盟時の16歳アスカガです。
カガリに急に「大好きだぞ!」と言われて戸惑うアスランが見たくて書きました。
思い付きで書いたので読みにくいところがあるかもしれませんがお許しください。
続きからどうぞ。
「アスラン、大好きだぞ!」
──そう言ってカガリが満面の笑みで首に抱きついてきたとき、あまりの勢いに後ろに倒れなかった自分を褒めたい。
反射的にカガリを抱きとめながら、アスランが真っ先に考えたことはそれだった。
突然の来訪者がやってきたのは、アスランが哨戒任務を終えて休憩に入り、珍しく整備が早く終わってエターナルの自室で一息つこうとしたちょうどそのときだ。
「か、カガリ!?」
「アスラーン! なんとか言えよお~!」
慌てふためくアスランをよそに、カガリは飼い主に懐く猫のように首元に頭を擦りつけてくる。
あまりの近さに目眩がしそうだ。顔に触れる金色の髪、あたたかな体温──胸元に感じるやわらかい感触。アスランは跳ねるような自分の心臓の音を聞きながら、ふとカガリから香る独特の匂いに気付いて血相を変えた。
「──誰だ、カガリに酒を飲ませたのは!!」
「あ、バレちゃった?」
通路の陰からひょっこりと顔を出したのはディアッカとキラだ。相変わらず擦り寄ってくるカガリをとりあえず抱き締めるアスランを見て、ディアッカがにやりと笑う。
「いやーびっくりした、まさかこんなに弱いと思わなかったぜ」
「あのさ、ぼくは一応止めたんだよ?」
手を顔の前に出し謝る仕草をするキラも、その顔にありありと面白くて仕方ないと書いている。
「良かったじゃねーか、アスラン。大好きだってよ」
「良くない! 何を考えてるんだお前らは、カガリはナチュラルで未成年なんだぞ!?」
「だからぼくは止めたんだって。でもカガリがバルトフェルドさんの挑発に乗っちゃってさあ」
「──ッ、大の大人が何をしてるんだ……っ」
憤りに震えるアスランの腕が、ふとずしりと重くなる。見れば先ほどまでご機嫌の様子でアスランに抱きついていたカガリが、いつの間にか立ったまま眠りについていた。
「あれ、寝ちゃった?」
「飲み慣れてないどころか、成人すらしてない奴に飲ませたら潰れるのは当たり前だろうが!」
カガリが倒れてしまわないよう支えながら、アスランはふたりをねめつける。
アスランの怒りを気にもとめず、ディアッカは顎に手を当ててカガリをまじまじと見た。
「でもさー、いくら何でもおまえ姫さんが酔ってるって気付くの早すぎじゃねえ? 突然告白しに来たって可能性は考えなかったのかよ」
「悪いがそこまでご都合主義の考え方は持っていない」
「うーん、それもちょっと卑屈すぎる気がするけど」
「余計なお世話だ!」
反省のかけらも見せないふたりに対し、アスランは浴びせるほどに説教を口にしようとしたが、意識を無くしたカガリを抱いた状態では不可能だった。それを好機とばかりにディアッカとキラがそそくさとその場を離れる。
「悪いけど、カガリのことよろしくね。そんな状態じゃクサナギにはかえせないし」
「意識ないうちは襲うなよ〜? まあ、何かあっても俺らにはわからねーんだけどさ」
「待て、おまえら!」
ふたりは好き勝手に言い残すとあっという間に逃げ出した。アスランは部屋の前でカガリを横抱きにした状態で取り残される。
あまりに珍妙な状況に、頭を抱えたい気分だった。
「くそ、俺にどうしろって言うんだ……」
結局彼は眠るカガリを自室に運ぶ他なかった。
自分のベッドにカガリを寝かせ、離れようとしたところで、カガリが軍服の袖をしっかりと握り締めていることに気付く。
全力で引っ張ればはずれないこともないだろうが、その手を無理やり引き離す気にはなれなかった。アスランは大きくため息をついて、ベッドの横に腰を下ろす。
「……寝ているカガリを部屋に連れ込んでるなんて、完全に変態じゃないか、俺は」
元凶になった人間たちへの恨み言を脳内で連ねながら、アスランは眠る少女を見た。
こんなに近くにいて見るなという方が難しいだろう、そう自身に言い訳する。
カガリは安らかな表情で眠っていた。アスランの袖を大事そうに握り締めて、体を丸めている。
少し前から意識してやまない少女を間近に見て、アスランの胸は知らず早鐘を打った。
『アスラン、大好きだぞ!』
先ほど言われた言葉を思い出す。
カガリがキラではなく自分に抱きついてきたことなど、今回が初めてだった。
「……おまえは酔った勢いだったのかもしれないけど」
アスランは袖をつかむカガリの手に自分の手を重ねる。
きっとカガリ自身に他意はない。ただ仲の良い友人を前に、キラにするようにスキンシップをして、彼女らしいまっすぐな性格から好意をそのまま口にしただけのこと。
──それが彼の心をどれだけ乱すかなんて、きっと彼女は知らないのだ。
「俺は好きだよ──カガリのこと」
そんなことを口にできたのは、カガリに意識がなかったからだ。面と向かって言うことなど、今のアスランには不可能だった。
言いながらいたたまれない気分になって、彼は着ている軍服を脱いだ。カガリに袖を握らせたまま、自由になった身で立ち上がる。
「……水をとってくる。おやすみ、カガリ」
自分の顔が熱くなっているのを自覚しながら、彼は部屋を出た。
──そのときアスランは気付いてなかった。
カガリがベッドに寝かされた時点で、目を覚ましていたのだということを。そして彼女は酔っていながらも先ほどの記憶を持っていた。
「……ばか。おまえこそ、ちゃんと言えよ……」
カガリは顔を真っ赤にしながら、彼の軍服を抱いてベッドにうずくまる。
「――私だって、おまえのこと大好きだ」
その気持ちをアスランが知るのは、まだ先の話だ。
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